月経異常
以下の症状で診察を受けられた場合、症状改善のためにピルを処方することがあります。詳しい内容や治療については「ピル外来ページ」をご参照ください。
【過多月経】
経血量には個人差がありますが、以下のような症状がある場合は受診をおすすめします。
主な症状
- タンポンや夜用ナプキンが必要
- 昼用ナプキンを1時間ほどで交換が必要
- 貧血症状(だるさ、めまい、動悸など)がある
治療方法
- 貧血の検査と治療(鉄剤・止血剤など)
- 子宮筋腫や子宮腺筋症などの検査
- ホルモン剤(低容量ピルやホルモン放出型の子宮内避妊システム→ミレーナ)による月経量の調整
【月経過多・過少】
月経が10日以上または月経が3日以内の場合は早めにご相談ください。
【不正出血】
生理期間外や閉経後の出血は早めの受診をおすすめします。
性感染症
性行為により感染する疾患です。多くは自覚症状がないため、知らないうちに進行することがあります。
主な性感染症
- クラミジア感染症:不妊や流産・早産の原因になることもあり抗生剤治療を行います。
- 淋菌感染症:感染力が強く、クラミジアとの同時感染も多く抗生剤治療を行います。
- 性器ヘルペス:痛みを伴い再発を繰り返すことがあり外用薬(塗り薬)を処方します。
- 尖圭コンジローマ:HPVウイルスによるいぼができる疾患で小手術が必要な場合があります。
- 梅毒:近年感染者が急増しており抗生剤治療を行います。
- 腟トリコモナス症:悪臭を伴うおりものが特徴で、お薬を処方いたします。
治療方法
抗生物質の内服・点滴、膣錠、塗り薬などで治療します。早期発見・早期治療が重要です。
子宮筋腫・子宮内膜症・
子宮腺筋症・卵巣嚢腫
【子宮筋腫】
子宮の筋肉内にできる良性の腫瘍で場所・大きさによって症状が異なります。月経痛の悪化、過多月経、頻尿、腹部膨満感などの症状がみられることがあり、妊娠・出産への影響が心配される場合もあります。
治療方法
- 経過観察
- 薬物療法(GnRHアゴニスト、低用量ピルなど)
- 手術療法(状況により子宮全摘や筋腫核出術)
【子宮内膜症・子宮腺筋症】
子宮内膜の組織が子宮の外(卵巣、骨盤内など)に発生し、早期発見・早期治療が大切な疾患です。
主な症状
- 強い生理痛
- 性交痛、排便痛、腰痛
- 不妊症で見つけることもあります
治療方法
- 低用量ピル、黄体ホルモン剤などでのホルモン療法
- 症状や希望に応じた手術療法
【卵巣嚢腫】
卵巣にできる様々な種類の腫瘍です。
自覚症状は乏しく超音波などの検査によって見つかることが多く、超音波で発見されたのち、腫瘍マーカーやCT/MRIなどの検査後、定期的な経過観察が必要です。
主な種類
- 機能性嚢胞(生理的なもの)
- 子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)
- 奇形腫(皮様嚢腫)
- 卵巣がん
不育症
妊娠できても流産や死産を2回以上繰り返す状態を不育症といいます。採血検査によって原因が判明することもあります。健康なお子様を出産された後に、流産・死産を繰り返す場合にも検査は可能です。しかし、検査で異常が見つかったとしても、必ずしも全ての妊娠が流産や死産になるわけではありません。原因を特定することで適切な治療につなげることができます。
保険適応検査
- 甲状腺機能(TSH、FT4)
- 抗TPO抗体、抗サイログロブリン抗体
- HbA1c
- 超音波による子宮形態検査
自費診療検査
各検査内容の詳細はカウンセリングでご説明いたします。
血液凝固異常検査
- 第12因子
- プロテインC活性
- プロテインS活性
- 抗カルジオリピン抗体
- ループスアンチコアグラント
- 抗核抗体
- 抗PS/PT抗体
不妊症
不妊症とは
1年間妊娠をしない状態を不妊症と言います。現在、6-7人に一人が不妊症と言われ、10人に一人が体外受精などで妊娠しています。決して珍しいことではなく、原因を特定することで適切な治療方法が選択できます。
当クリニックでは推奨される採血の時期(月経開始後5日目までの低温期検査、排卵期、月経前の高温期検査)に合わせた基本的な検査は可能ですが、不妊専門外来は行っていません。必要に応じて専門医療機関をご紹介させていただきます。
不妊症の主な原因
- 卵管因子(卵管の閉塞や癒着など)
- 排卵障害(排卵が起こらないまたは不規則)
- 精子異常(数、運動性、形態の問題)
- 卵巣因子(卵子の質や数の問題)
- 子宮因子(子宮内膜症、子宮筋腫など)
- 免疫因子(抗精子抗体など)
検査項目(保険適応検査)
- 超音波検査
- 膣培養検査
- クラミジア検査(IgG、IgA)
- 貧血検査(CBC、フェリチン、血清鉄)
- 血糖検査(血糖、HbA1C、インスリン)
- 月経周期に合わせたホルモン検査
- 甲状腺検査
検査項目(自費診療検査)
- 感染症検査(HIV・梅毒・B型肝炎・C型肝炎)
- AMH
- 抗精子抗体
- 風疹抗体
月経周期の各段階(①低温期、②排卵期、③高温期)に応じて異なるホルモン検査を行い、卵巣機能や排卵状況、黄体機能などを総合的に評価します。