はじめに
40代後半から50代にかけて、多くの女性が経験する更年期障害。「最近、急に顔がほてって汗が止まらない」「ちょっとしたことでイライラしてしまう」「なんだか毎日疲れて、やる気が出ない」—そんな症状でお悩みではありませんか?
「これって更年期?でも、どこに相談すればいいの?」「治療ってあるの?」と一人で悩んでいる方も多いはずです。
当クリニックでは、更年期障害の治療として厚生労働省が承認したメルスモン注射による治療を行っています。今回は、このメルスモン注射がどのような効果があるのか、安全性はどうなのか、患者様に分かりやすくご説明いたします。
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更年期障害とメルスモン注射
更年期障害の原因
更年期障害は、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少することで起こります。
今まで女性ホルモンがコントロールしていた体の様々な機能—血管の調整、感情のバランス、睡眠のリズムなど—がうまく働かなくなってしまうことがあります。その結果、体と心に様々な不調が現れます。
メルスモン注射とは
メルスモン注射は、ヒト胎盤(プラセンタ)から抽出されたエキスを主成分とする医療用の注射薬です。
大切なポイント
- 更年期障害の治療薬として厚生労働省に正式に承認されています
- 保険が適用されるので、治療費の負担を抑えることができます
- 多くのクリニックで長年使用されている、実績のある治療法です
更年期障害の症状とメルスモンの効果
身体的症状の改善
つらいホットフラッシュに
- ほてり・のぼせ – 急に顔がカーッと熱くなる
- 発汗異常 – 夜中に汗で目が覚める
- 動悸・息切れ – 心臓がドキドキして不安になる
- 手足の冷え – 上半身は暑いのに足先が冷たい
日常生活をつらくする症状も
- 肩こり・腰痛 – マッサージしても取れない重いコリ
- 関節痛 – 朝起きた時の手のこわばり
- 頭痛・めまい – 立ち上がった時のフワフワ感
- 不眠 – 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める
精神的症状の改善
感情のコントロールが楽に
- イライラ・怒りっぽさ – 家族に当たってしまって後悔
- 不安感・憂鬱感 – 理由もなく不安になったり落ち込む
- 気分の落ち込み – 何をしても楽しくない
- 集中力の低下 – 仕事や家事に集中できない
前向きな気持ちを取り戻す
- 疲労感の軽減 – 朝起きるのがつらくなくなる
- 意欲の回復 – また好きなことを楽しめるように
- 社会活動への参加意欲 – 人と会うのが億劫でなくなる
治療方法
注射による治療(メイン治療)
投与方法
- 皮下注射または筋肉注射
- 週2~3回の頻度で投与
- 1回の投与量:1~2アンプル
治療期間
- 通常3~6ヶ月程度
- 症状の改善度に応じて調整
- 定期的な経過観察が必要
内服薬による補助治療
注射治療の効果をサポートするため、必要に応じて以下の内服薬を併用することがあります
メルスモン内服薬
- プラセンタエキス配合の内服薬
- 注射治療との相乗効果が期待できます
- 自宅でも継続的にプラセンタ成分を摂取可能
- 注射頻度を調整しながら症状の安定化を図ります
その他の補助的な内服治療
- 漢方薬(当帰芍薬散、加味逍遙散など)
- ビタミン・ミネラル補給
- 症状に応じた対症療法薬
※内服薬は注射治療の補助的な位置づけです
安全性について
国内承認医薬品
メルスモン注射は、厚生労働省が承認した医薬品であり、製造から流通まで厳格な品質管理のもとで提供されています。
主な副作用
軽微な副作用
- 注射部位の疼痛・腫れ
- 一時的な発疹
- 軽度の発熱
これらの症状は通常、数日以内に自然に改善します。
注意事項
献血・臓器提供の制限
- メルスモン注射を受けた方は今後献血ができなくなります
- 臓器提供についても原則として制限があります
- 治療開始前に必ずご説明し、十分ご理解いただいた上で同意書にサインをいただきます
保険適用について
保険診療の条件
メルスモン注射は、更年期障害の診断がついた場合、保険適用での治療が可能です。
診断基準
- 年齢:45~59歳
- 更年期症状の確認
- 医師が治療の必要性を判断
- 血液検査(必要に応じて実施)
費用の目安
保険適用時
- 1回の注射:約600円(3割負担)
- 初診・再診料:別途
- 血液検査:別途(必要時)
治療の流れ
初回受診
1. 問診・診察
- 症状の詳細確認
- 月経歴の聴取
- 既往歴・服薬歴の確認
2. 検査
- ホルモン値測定
- 必要に応じて追加検査
3. 治療方針の決定
- 診断の確定
- 治療計画の説明
- 同意書の確認
継続治療
定期通院
- 週2~3回の注射
- 月1回程度の診察
- 症状の経過観察
治療効果の評価
- 症状改善度の確認
- 必要に応じて治療調整
- 定期的な血液検査
よくあるご質問
Q. 効果はいつから実感できますか?
A. 個人差がありますが、多くの患者様が2~4週間で「あれ?最近ほてりが少なくなった」「夜よく眠れるようになった」といった変化を実感されています。特に、ほてりや発汗などの症状は比較的早く改善する傾向があります。
「すぐに効果が出なくても心配しないでくださいね。体質や症状の重さによって効果の現れ方は違います」と患者様にはお伝えしています。
Q. 治療期間はどのくらいですか?
A. 通常数ヶ月間の継続治療をおすすめしています。「3ヶ月続けてみて、体調がずいぶん楽になりました」という患者様が多いですが、症状の重さや改善の度合いによって調整いたします。
良くなった後も、「月に数回続けることで調子が安定している」として維持療法を続けられる方もいらっしゃいます。
Q. 他の治療法との併用は可能ですか?
A. はい、もちろんです。「漢方薬と一緒に使いたい」「ホルモン療法も検討している」という方も多くいらっしゃいます。当クリニックでは、個々の症状やご希望に合わせて、最適な治療の組み合わせをご提案いたします。
「一つの治療法だけでなく、いろいろな角度からアプローチすることで、より快適に過ごせるようになります」
Q. 副作用が心配です
A. お気持ちはよく分かります。メルスモン注射は比較的安全性の高い治療法ですが、注射部位に軽い痛みや腫れが出ることがあります。「注射した所が少し痛むけれど、2~3日で良くなりました」という程度のことがほとんどです。
稀にアレルギー反応が起こる可能性もありますが、重篤な副作用は極めて稀です。「なんか変だな」と感じることがあれば、いつでも遠慮なくご相談ください。
Q. 美容目的での治療は受けられますか?
A. 申し訳ございませんが、当クリニックでは、メルスモン注射は更年期障害の医学的治療としてのみ提供しております。「美肌効果があると聞いたのですが…」というお問い合わせもいただきますが、医師が更年期症状の治療として必要と判断した場合のみ、適切な診断のもとで治療を行っています。
まとめ
更年期障害は、女性なら誰でも経験する自然な体の変化です。でも、「これくらい我慢しなくちゃ」と一人で抱え込む必要はありません。
適切な治療を受けることで、症状を軽減し、毎日をもっと快適に過ごすことができます。「最近、また笑えるようになりました」「久しぶりに友達とお茶を楽しめました」—そんな声を患者様からいただくたびに、私たちも嬉しく思います。
メルスモン注射は、厚生労働省が承認した安全で効果的な治療選択肢の一つです。更年期の症状でお困りの方は、「こんなことで病院に行ってもいいのかな?」なんて遠慮なさらず、お気軽に当クリニックまでご相談ください。
あなたらしく、生き生きとした毎日を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
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